ホーム>心陽コラム>健康経営>健康経営と福利厚生 リスクからプロフィットの発想転換
健康経営

健康経営と福利厚生 リスクからプロフィットの発想転換

 

健康経営と企業理念健康経営とは健康投資で投資リターンを得る経営です。

健康経営と福利厚生をごっちゃにしてしまわれることが多いです。

福利厚生とは単純には賃金以外の金銭および非金銭報酬ですが、一般には使用者が、労働力の確保・定着、勤労意欲・能率、つまりパフォーマンスの向上などの効果を期待して、労働者やその家族の健康や生活の福祉を向上させるために行う諸施策です。
福祉とは幸せのことです。

そのうち法定福利費は社会保険料の事業主負担を指します。

健康経営にかかるコストは必ずしもすべてが福利厚生費ではありませんし、回収見込みのない口当たりのよい福利厚生費をたくさん割くことが健康経営ではありません。ましてや、法定福利費や法定外福利費をケチることはけっして健康経営ではありません。

福利厚生費を見直すことが健康経営ではありませんが、福利厚生を見直す機会を健康経営スタートの動機づけにするのは非常に有意義だと思います。
厚生労働省の就労条件総合調査によると常用労働者一人あたりの労働費用総額に福利厚生費が占める割合は平均すると12%程度です。退職給付制度の有無や非正規雇用の問題などがあり、規模が大きい企業ほど多様で高額な法定外福利費を提供しているので、平均しても仕方ない数値ではありますが、コストを考える上で大きなウエイトを占めることになります。
人材確保の宣伝材料として福利厚生、特に「ハコモノ」の拡充をアピールする時代は終わり、現在は従業員の高齢化や雇用形態の複雑化、それこそ幸せ(福祉)の多型化により、従来の一律定型的な支給は少なくなっています。

最近は福利厚生のアウトソーシングが一般的になっています。
カフェテリアプランをASPなどで安価に利用したり、利便性の高いWEBシステムを導入したり、健康管理・自己啓発などのサービスを提供したりと多様な福利厚生が活発に行われていて、これをもちろん社員のパフォーマンス向上につなげれば健康経営の一助になります。

たとえば、健康診断やワクチン接種などの予防医療や健康リテラシー向上、医療補助や企業内医療サービスなど積極的、かつダイレクトに健康につながる福利厚生を取り入れることは健康経営といえます。

儲かる健康経営これまで、「健康」に関する福利厚生に力を入れる企業は、スクリーニングで抽出した、ハイリスク、あるいはすでに不健康な社員への医療や保健指導を熱心に行ってきました。
もちろん社員の健康に大きく貢献するすばらしい姿勢ですが、大変なコストがかかる上に、結局、医療費は下がりません。

医療費や介入にかかるコストだけでなく、通院にかかるアブセンティーズム、治療によるエクストラのプレゼンティーズムが発生してしまう可能性もあります。

労働者には自己保健義務があり、たとえば健診で医療が必要とされる疾患が見つかったにもかかわらず、放置してプレゼンティーズム、アブセンティーズムを増やす場合には、労働契約に違反しています。

自己保健義務を怠っている健康不全の社員のために他の健康な社員が必死に働いて稼いだ企業の予算を使うことが、果たして公正といえるでしょうか。

むろん、健康不全の社員はどんどん切り捨てろという主張ではありません。
企業内で健康不全が発覚しても、大切な社員に万全のサポートをする企業こそが成長することは間違いありませんし、健康な社員のパフォーマンスも、健康不全社員を切り捨てる姿より徹底サポートする姿勢を見せたほうが向上します。
企業内で健康以外の問題の際もサポートし合う気風が生まれるのにも役立ちます。
健康、健康不全、どちらの立場になっても、自社が一番だと社員に実感させること、そして、いつでもそのどちらの立場にもスイッチしうることを伝えることは健康経営にとって重要なことです。

健康経営ラダー

職場というコミュニティは社会に貢献するべく掲げた独自の理念を貫くべく経営にあたるという不動の命題があるのですから、社員の健康に関しても長期的、戦略的な視野を持ってあたるべきです。

最も企業に貢献している社員は、労災申請しそうな社員でも、病気になりそうな社員でも、離職しそうな社員でもありません。
ばりばりよく働く健康な社員です。
健康な社員はプレゼンティーズムが少なく(生産性が高く)、アブセンティーズムが少なく(勤怠が整い)、事故やトラブルに関わりづらく、医療関連コストが少ないものです。

健康な社員のためはもちろん、そうでない社員のためにも、リスクアセスメントを怠らず、職場内に潜むハザードをなくす、減らす労働衛生マネジメントは従来通り行うべきです。
そう、ますは法令遵守・リスクマネジメントありきです。

その上で、健康不全者に注目する健康管理・医療費抑制などの「インナー・コスト・リスク発想」から、ヘルシーワーカーを有効に盛り立てる「アウター・投資・プロフィット発想」に転換するのが健康経営です。

不健康というハザードをなくす、減らすという目標ではなく、健康というプロフィットを得る、維持する、増やすという目標を企業理念と結びつけて具体策を取る、これが健康経営のスタート地点です。

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.shinyo.pro/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/62

ページ上部へ