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医師が先に燃え尽きてしまう?

7月末に行われた第48回医学教育学会大会で興味深い報告が出ました。

燃え尽きあるが対処力が高い医師はわずか3.2%

医師労働時間国際比較

そもそも日本の医師は働きすぎ。
その事実は皆さん、ご存じなのではないでしょうか。
それはこの国の医療報酬制度や給与体系に問題があると考えますが、医師は社会から隔離され、過労防止法どころか労働基準法を読んだことさえないのです。
残念ながら医師の3~4割にあたる25万人以上の産業医資格のある医師たちでも、その論拠となる安全衛生法を読んだことがないという状況です。
難しい受験を突破してきた人たちですから、字が読めないわけではありませんが、読む時間がないのも一つ、読まないようにコントロールされているのも一つですし、まず存在を知らないんでしょうね。
ちなみにかくいう私も、学生時代、および研修中に医師法すら読んだことがありません。
医師法は、なんとなく、もう、青い鳥的な存在でした。
臨床の場をみるにつけ、その無知ぶりは目に余ります。
全国医師ユニオンという組織があるのですが、医師は「ユニオン」がなんなのか知りません。「ロピオン」やその光学異性体なら知っているのですが・・・
とりあえず、全国医師ユニオンに加入している医師に実際に逢ったことがありません・・・
ただ、医師がスペシャリストであること自体は、日本の医療にとってすばらしいことだと思いますので、マネジメントが変わる必要があるのでしょう。
医師から社会を切り離す洗脳教育は悪くはありませんが、その弊害をきちんと認識し、救済措置をしない限り、未来はありません。
その点からは今回の新しい規制は機能しうると思います。
すなわち、経営者(院長など)が産業医を兼任するのを禁じる法律です。もう一歩進んで、医療機関においては、マネジメントサイドかどうかを問わず、外部機関に委託するよう徹底できればベストだと感じます。
医者以外のナースなども、普段、一緒に働いている医師相手では産業医面談が有効に行えないでしょう。
 

医師 有給実は左のアンケートには私も答えているのですが、「有給休暇の取得」にまつわる調査です。しかしながら、「有給休暇」という概念が、医師にはないのが現実なのです。

大学病院にかかる患者さんの一人が、治療過程で週に数度の筋肉注射を要する局面があり、
「注射のたびに半日有給を消化してしまうと続かなくなるので、よそで同じ処置をしてもいいですか」
と尋ねたところ、医師の頭にはクエスチョンマークが飛び交ったそうです。
臨床医をしていた頃、「有給休暇」なんて私も知りませんでした。
よそのクリニックとは心陽クリニックのことで、患者さんは終業後、同じ治療を弊院で受けました。話し合いの上、自費で保険点数の120%をいただきましたが、
「有給をムダにしないことを考えればずっと得」と喜んでくださいました。
患者さんの勤務先にしても、大きなアブセンティーズムの節約になりましたし、仕事の中断を気にしなければならないことで発生するプレゼンティーズムはより大きく削減できたでしょう。

燃え尽き 因子医師の燃え尽き症候群を、Maslach Burnout Inventory-General Survey(MBI-GS )、ストレスに関連する要因を評価するBrief Scales for Job Stress(BSJS)、ストレスへの対処能力を評価するSense Of Coherence(SOC)などのツールを用いて検討したのが今回の発表です。

解析対象は指導医1,061人。MBI-GSに基づく燃え尽きの有無を従属変数とし、単変量解析を行ったところ、年齢、経験年数、性、週平均勤務時間、SOCスコアおよびBSJSのスコアのいずれも燃え尽きと有意に関連していることが分かりました。
 
燃え尽きの有無別に週平均勤務時間を見ると、勤務時間が長くなるほど燃え尽きあり群の割合が高くなり、SOCスコアを三分位に分けると、ストレスへの対処能力が高い燃え尽きありの指導医はわずか3.2%と少なかったことがわかりました。
 
ストレスへの対処はコーピングと呼ばれ、いくつかの方法があります。
今週金曜日にはこのコーピングに着目したイベントがありますので、ぜひ、お時間に余裕のある方はご参加ください。
また、弊社のストレスチェックでは個々人のコーピングの傾向とその能力、コーピングの解説をご提示しますので、セルフケアの参考になさってください。

長時間勤務でリスクが約8倍

ストレスさらに、単変量解析で得られた燃え尽きと関連する因子について、ロジスティック回帰分析を実施(対象指導医数834人、年齢は経験年数との相関が強かったため、独立変数から除外)。

解析の結果、勤務時間が週100時間以上の指導医は、60時間未満の指導医に比べて、燃え尽きのリスクが7.8倍高かったのです〔オッズ比(OR)7.8、95%CI 2.21~27.42、P<0.01〕。
 
指導医の労働時間は週平均79.3時間で40時間の過重労働です。
 
米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が提唱する職業性ストレスモデルによると、過重労働や重責などが蓄積すると、燃え尽き症候群などのストレス反応が生じ、それが持続した場合、業務に支障を来しかねないという仮説が成り立ちますが、「ストレスへの対応能力(個人的特性)」や「周囲のサポート(緩和要因)」によって、ストレス反応は変化します。
特に臨床医のような仕事ではストレスはたいへんなパフォーマンスの栄養でもありますから、ストレス=悪の図式は成り立たないと考えていいでしょう。
 
伊藤氏らは、2013年に全国で開かれた指導医講習会のうち、協力が得られた57の講習会を受講した指導医1,897人を対象に、指導医の①勤務・指導状況②燃え尽きの現状③ストレス要因とその緩和要因―を明らかにするため、無記名自己式質問用紙を用いて調査を行ったところ、最終解析対象となった1,061人(平均年齢40.8歳、経験年数15.3年、男性医師84.1%)における研修医への指導頻度は「ほとんど毎日」(31.7%)、「週に4~5日」(20.6%)で約半数を占めました。
 
また、指導医の平均週勤務時間(平均平日勤務時間×5日+平均休日勤務時間×2日+週当直回数×当直勤務時間)は79.3時間と算出されたが、「80~100時間未満」(31.0%)、「100時間以上」(12%)との回答もあった。
 
ちょうど夏休みで珍しく、私も夏休み休暇中の医師に代わり、研修医を指導する機会の多い月でした。
指導は非常に勉強になります。
専門的な学び直しにもなり、社会勉強にもなり、若いエネルギーに感化され、非常な刺激になります。
説明しながら、あまりにすばらしい内容(自分の発言)に感動して涙が出そうになったことが何度もありました(こういう幸せな思い込みはwellbeingのもとです!)。
体温が1度下がると脳の活動が7%以上下がる、と言ったあと、「え?そんなに??」と思ってまた文献に当たったり、学生さんのピュアすぎる回答に臨床のヒントをもらったり、やはり指導というのは専門職にとってなくてはならない好機です。

約7割の指導医がやりがい

NIOSH ストレスチェック

研修医を指導する負担について、「非常に感じる」(1,058人中65人)、「まあまあ感じる」(511人)を合わせると54.4%。その一方で、73.3%はやりがいを感じていた(「非常に感じる」は1,059人中88人、「まあまあ感じる」は693人)。
 
私は非常に感じます。
まあ、私は恵まれた環境で仕事をしているので、研修医が優秀で素直でやる気がある子ばかりだからかもしれませんが・・・
 
Sense Of Coherence(SOC)による「ストレス対処能力」の評価は平均44.5点。
「ストレス要因」の他、「ストレス緩和要因」〔Brief Scales for Job Stress(BSJS)に基づいて評価〕は研究職と同程度の裁量度や達成感が得られていました。
 
またSOCスコアが低い指導医は、高い指導医に比べて、燃え尽きのリスクが4.7倍上昇することも分かりました(同4.7、95%CI 2.31~9.63、P<0.01)。
 
ここでも普段から強調している「思い込み」の力が定量化されています。
「幸せだと感じる」、「幸せだと思い込む」ことがすべての処方箋になります。
 
河村氏は、指導医の燃え尽きの要因は労働時間などの外的環境だけにあるのではないと指摘し、「ストレス対処能力などの個人的特性に配慮した環境整備も重要と考えられる」と述べました。
そう、やはり大切なのは環境改善!
 
医療機関の皆様、上記法令の施行は来年4月です。
ぜひ、現場の気持ちがわかる弊社に、医療機関の組織環境改善をお任せ下さい!!!

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