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インフルエンザ

インフルエンザのセルフチェック

インフルエンザの簡易診断キットくらい薬局で売れないのかな

そんなふうに思ったことのある方は多いと思います。そんな声を耳にしました。

インフルエンザ キット 販売

こんなふうに思うときは、今のように季節性インフルエンザが大流行しているシーズンで、勤務先ではインフルエンザ感染時の出勤が禁じられているけれど、こなすべき仕事は山積みで、ちょっと怪しい体調だけど仕事できないほどでもない、そんなときではないでしょうか。

それはインフルエンザワクチンを接種しているところに感染したから軽症で済んでいるのか、それともインフルエンザでも何でもない二日酔いとか季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)とか、ちょっとした風邪のようなものなのか、わからない。会社に行って、仕事をするのは平気だけれど、それがインフルエンザウイルスをばらまくことになって、高齢者や妊婦、何らかの原因で免疫不全の人々はもちろん、誰かにうつしたくはない。そんなときではないでしょうか。

ちょっと不便ではあるけれど、事情を説明して在宅で作業するか、それともマスクをして出勤しちゃうかという悩みをセルフチェックが解決してくれるとしたらいいのになあ、もし陽性が出たら観念してその週は在宅勤務にするという行動選択のヒントにしたいなあ、という思いなのではないでしょうか。

この声を聴いて、日本人って本当に検査が好きなんだな~~~~と痛感した次第ですが、結論から言うとそんなふうに思ったなら、そしてそれが多少の不便によって可能なら、その日から3日間は在宅勤務をオススメします。これがベストで最も安価な方法です。

インフルエンザを人に伝染してしまうのはいつまで?

WHOによると、季節性インフルエンザは一般的に、何の治療もしなくても咳以外の症状は1週間以内に治まります。

インフルエンザ診断キット

いつまで人にうつしてしまう可能性があるかについて明言するのは難しいけれど、実験的に健康成人に季節性インフルエンザウイルス(A)を感染させた場合のウイルス排出パターンを検討した研究のレビューをしたMeta-analysisの結果が発表されています。

Inactivation of influenza A viruses in the environment and modes of transmission: a critical review.

この調査によると、インフルエンザウイルスの排出はウイルス接種後半日から1日で増加し、接種後2日目でピークを迎え、平均排出期間は4.8日でした。前述WHOによると潜伏期間は約2日、つまり症状が出てから3日程度は感染性があると考えてよさそうです。

残念なのはピークの頃に発症することですよね。症状が穏やかな場合に自己診断キットがあればと思うのでしょうが、症状が激しく出る前は特に偽陰性(本当はインフルエンザなんだけれど、検査上は感染していないという結果が出ること)の可能性が高いですし、もしキットが手元にあっても、さほど効果はないのかな、と思います。

医療機関受診の目的

皆さんはどういうストーリーを描いているのでしょうか。

タミフル リレンザ

キットがあれば周りの人にうつすという非社会的な行動を選択しなくて済むということであれば、ぜひそのすばらしい精神、エネルギーをワクチン接種率向上のキャンペーンに注いでください。

インフルエンザは高齢者など一部の人々の命を奪う可能性すらあるたいへん危険な、それでいてたいへん一般的な、そして、安価で手に入りやすい(アクセスしやすい)ワクチンで必ず重症化を予防できる感染症です。

以前もどこかで書きましたが、医者は知識や経験があるだけで、特殊な視力や技術を持っているわけではなく、インフルエンザかどうかは「勘」で決めています。

インフルエンザに対してだけでなく、すべての診断は勘で決めています。もちろん、根拠をたどれるものはたどりますし、医者にとっても診察で得た臨床所見による見立てと検査の結果が一致しているのは、はっきり言って嬉しいしホッとします。ただし、一応まだドクターAIにこの座を譲っていない限りは、むしろ、期待する検査結果じゃなかったときこそ、検査結果か自分の見立てのどちらかが誤っているという仮説を立てて次の行動を選択しなければなりません。

自費診療

インフルエンザにかかっていたとしても、インフルエンザは多くの健康な人にとっては自然に治る病気です。

そもそも診断キットが日本ではじめて発売されたのは1998年、けっこう最近です。それまでは医療機関でも臨床症状で診断していたし、それでうまくいってました。

感染症発生動向調査、病原体サーベイランスにおける発生動向調査上の診断基準は、
突然の発症・高熱・上気道炎症状・全身倦怠感などの全身症状の4つの臨床症状を満たすか、満たしていない場合でも迅速診断キットによりウイルス抗原が検出されているもの
で、臨床症状がある場合、本来検査は不要です。
医療機関で臨床症状がズバリなのに検査しようと言われたら断ってください。過剰医療です。
 

なぜか皆さまが大好きな治療薬。でも、特効薬のようなものではありません。苦しむ期間を半分にしてくれる程度です。

最も古いのはアマンタジン(シンメトレルⓇ)で欧米では抗ウイルス作用があるとして、A型インフルエンザの予防薬として1964年から使用されていましたが日本での保険適用は30年以上経った1998年、奇しくも診断キットのデビューと同じ年です。
 
上の死亡者数の推移では、診断キットと治療薬が登場したミラクル1998年になんの意味も見つけられません。新しい抗うつ薬が発売されるとうつ病患者が増えるという話は皆さんご存じでしょうが、確かにオセルタミビル(タミフルⓇ)とザナミビル(リレンザⓇ)2001年と1998年のあとには少し増えているようにも・・・といってもこれは死亡者数ですから、感染者数で見るともっと顕著でしょう。

ピル AGAちなみにワクチンは1962年から1994年まで児童の集団義務接種体制がとられており、年間約2000万人が接種を受けていました。私も受けました。

1994年に任意接種になったあとは、ピークがあるようにも見えますね。
 
さて、季節性インフルエンザ流行中の医療機関はリスクにあふれた恐ろしい場です。
もし、人にうつしたくないという思いだけで出かけるのなら、医療機関に行くのはやめましょう。
 
診断書目当ての受診などやめましょう。もしそんなルールを設けている企業があればすぐさま廃止することを提案します。意味のない制度では人材も企業も成長しません。
 
たとえ自宅でキットで診断して陽性が出たところで、さほど辛くないのなら、医療機関に行くのはオススメしません。
医療機関への往復でウイルスをばらまく可能性があるし、医療機関はインフルエンザ以外にも感染症の宝庫です。
そして、本当に医療を必要としている人と医療の距離を遠ざけてしまうというリスクにも気付かなければなりません。
なにより受診のために仕事を離れるアブセンティーズムがもったいない。医療費や交通費以上にこれが大きいです。クスリをもらってもプレゼンティーズムでペイできるほどの効果はありません。
自分のお金もムダですし、国民医療費も増やします。大きなリスクを賭けて、医療機関や製薬会社に儲けさせることはありません。

インフルエンザ簡易診断キット

診断 インフルエンザ キット

会社の法定外福利厚生費を使用してチェックすることでいろいろな人が安心するのなら、それはいいことだと思います。

でも、そういう気持ちがあるのなら、まずは企業が就業時間中に集団接種をするほうが何百倍も効果的です。

自分でチェックすることで社会のためになる行動変容につなげるリーズナブルなアイデアのある方を含め、セルフチェックにご興味のある方はお問い合わせください。

 

 

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