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便は便利①(大腸がん検診)

便潜血検査

がん 年次推移

大腸がん検診としてオススメするのが便潜血検査です。
ご存じの通り、便に血液が混ざっていないかを見る検査で、がんがあるかどうかがわかる検査ではありません。
だから痔の出血や生理の経血が便に混ざっているときも陽性になります。
つまり「大腸がん検査が異常ありでも、がんではない場合が多い」のは一つの事実です。
また、「大腸がん検査が正常でも、がんがないとは言えない」のも一つの事実です。
 
なーんだ、それならやらなくたっていいじゃない。やったってしょーがないじゃない。
 
と思う方々も多いと思いますが、実はどのがん検診も同じです。
検査が陽性だったけど、精査したら実は問題がなかったほうが、検査が陰性だったのに実は問題があったというほうが困るのはわかりますよね。
おもしろいもので、がん検診を受けない理由の上位に「がんだったら困るから」が常にランクインするのですが、がんであること以上にがんでないことのほうが証明しにくいものです。
 
検査の異常ががんの診断にはなりません。
大腸がん検診で異常があった方は、次のステップとして全大腸内視鏡をオススメしています。
大腸がんに対する全大腸内視鏡検査の感度(大腸がんがあるときにちゃんと大腸がんがあると指摘できる確率)は95%以上と、便潜血検査やS状結腸内視鏡検査の感度よりもかなり高く、全大腸内視鏡検査には死亡率減少効果を有する相応の証拠があると判断しました。便潜血検査免疫法の感度(大腸がんがある場合に便潜血検査が陽性となる確率)は対象とした病変の進行度や算出方法によってかなりの差があり、30.0〜92.9%でした。一方で、化学法の感度は25〜80%と報告されており、免疫法の感度は化学法の感度と同等もしくはそれ以上と判断されました。
とはいえ、大阪がん予防検診センターが231,978人のデータで調査したところでは、便潜血の感度は96.5%でしたので、なかなかの感度と言えます。
 
最初から内視鏡したほうがよくない?
 
これもおっしゃるとおりですが、全大腸内視鏡を行なうためには数時間かけて腸を空っぽにする必要があり、検査の費用も数万円~と時間もお金も身体的なストレスも大きな検査です。
便の異常や家族歴などがあれば保険の適用もできますし、特に心配な方はもちろん大腸内視鏡を行なうことをオススメしますが、全員が行なうには少し負担が大きすぎるでしょう。
一方で便潜血検査は便を用いますので、検査があろうとなかろうと普段している時間とストレスにプラスはありません。スティックの先で便をこする手間などは少しかかりますが、内視鏡の比ではありません。価格も1,000円程度とリーズナブルで、ポストに投函して検査するとなれば、ほとんど日常生活を脅かしません。健診センターに行く必要もないので、電車賃も移動時間も節約できます。
 
3件の無作為化比較対照試験によると、欧米で広く用いられている便潜血検査化学法を毎年受診した場合には33%、2年に1度受診した場合でも13〜21%大腸がん死亡率が減少することがわかりました。わが国で広く用いられている免疫法については、症例対照研究によって、1日法による検診を毎年受診することで大腸がん死亡が60%減ることが報告されています。
 
他の検診法と比較した便潜血検査の最大の利点は、検査自体に偶発症(副作用や事故)がないことです。とりわけ免疫法は化学法と違って、検査前の食事制限や内服薬の制限も不要です。不利益としては、偽陰性(便潜血検査での大腸がんの見逃し、中間期がん)によるがん発見の遅れと偽陽性(本当は病変がないのに精密検査が必要と判定されること)による精神的苦痛および精密検査に伴う肉体的苦痛・偶発症が挙げられます。
 
ポスト投函による簡単な便検査のキットを家に準備しておけば、気になる症状が続いたときにひょいと投函することで、不安が解消されたり、内視鏡を受けるきっかけになったりすることでしょう。
 

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