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君たちはどう食べるか(3)食意識とお国柄

お国柄によって食べ物に対する意識や役割はそれぞれ

 
いつものように対象となる研究のタイトルをタイプして恥ずかしかったのは、2日前に、「Appetite って雑誌の名前がいいですね!」なんてはじめて感満載で書いちゃったことですが、本日取り扱うのは、最も好きなペーパーとしてよくセミナーなどでも取り上げているのに、しっかりAppetiteでした。
 
国と食
P. ROZIN
University of Pennsylvania
 
C. FISCHLER
C.N.R.S. (Paris)
 
S. IMADA
Hiroshima-Shudo University
 
A. SARUBIN
University of Pennsylvania
 
A. WRZESNIEWSKI
University of Michigan
 
各国から一人ずつの研究者が名を連ねる形式もおしゃれな、この研究、肉体的な健康と直結し、よろこびの源泉でもあり、ときに不安やストレスの種にもなる、常に気になって、誰にとっても大きな支出のもとでもある「食べ物」や「食事」へのお国柄による感覚差を捉える、たいへん面白いレポートです。

国の傾向を測って論じる

健康経営とポピュレーションアプローチ(1)で、ウィキペディアによると、疫学は「個人ではなく、集団を対象とし、疾病の発生原因や予防などを研究する学問」であり、日本疫学会は「明確に規定された人間集団の中で出現する健康関連のいろいろな事象の頻度と分布およびそれらに影響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題に対する有効な対策樹立に役立てるための科学」と定義しています。と説明しました。
 
AIにきいてみた どーすんのよ ニッポン
 
最近はテレビなどでも取り上げられるようになったけれども、集団をみるというのはなかなか難しいものです。
Xというなんらかの曝露や介入がある集団をA、ない集団をBとして、それぞれの結果を集団で比べるような研究の設定は、集団のサイズが大きくなればなるほど難しくなります。
年齢や性別、居住地域によるデータが出やすいのは、それが分類しやすいからなんですね。
集団をわける、集団を測ることの難しさと複雑さについては、別の機会に説明した方が好さそうですね・・・
 
国というのはたいへんわかりやすい集団の分け方で、「〇〇人である」というアイデンティティーを持つ集団を集団として比較する、食べるという行為は個人的なものだけれども食べる傾向を集団として測定するにはどうしたらいいか、この難題には質問で挑みます。

質問をみてみよう

この質問はまず米国で52問作成されたものを、お国事情の異なる国々で正確に訳せるかどうかの調整を加えて25問まで絞りました。
面白いので全部紹介したいくらいなのですが・・・・・・
 
2018978132.pngたとえば単純に、塩分や脂肪、コレステロールといった各栄養素を意識していますか、という質問や、心疾患や肥満、健康やがんというアウトカムを意識していますかという質問のほか、右の図にあるようなおもしろい質問もあります。
 
①アイスクリームってどっち?
「おいしいもの」なのか、「脂肪の塊」なのか?
 
②目玉焼きってどっち?
「朝食の定番」か「コレステロール」か?
 
③炭水化物、パン、バターから、仲間はずれを探そう。
 
私は③が好きなんですが、皆さん、それぞれ試しに答えてみましたか?
当然正解はありませんが、おおむね、こうなりました。
 
アメリカ人はの答えは①脂肪 ②コレステロール ③バター
 
フランス人の答えは①おいしい ②朝食 ③炭水化物
 
あなたはどちら派でしたか? 

結果をみてみよう

resultさて、左の結果の棒グラフ、日本はどれだかわかりますか?
そして、アメリカ、フランス、ベルギー(北)は、それぞれどれでしょうか??
 
どの国でも食事と健康におおいなる関係があると思っているのは一致していますが、栄養にこだわる、楽しみと捉える、罪悪感を感じる、料理>材料など、食への意識はさまざまです。
 
答え合わせをしますと棒グラフは左の黒べた塗りからベルギー、フランス、日本、そして右の斜線がアメリカです。
想像通りでしたか?
 
日本人として私が誇らしいのは調理法にこだわるところで、どう食べるかというこのコラムのタイトルとも一致して、繊細な文化を感じます。
食生活への自信がフランスやベルギーより低いのはなんとなく想像がつきますが、世界一自信たっぷりに見えるアメリカ人が、食生活の健康さに対してはかなり後ろめたい気持ちを持っているようなのも驚きでした。
アメリカ人の23~45%しか自分を「Healthy Eater」だと評価していませんでした。日本人は47~60%、ベルギーでは69~82%、フランスはなんと69~82%が自信を持っており、この質問に関しては他の問題以上に性や年齢による傾向が小さく、純粋に国の違いが大きく出ました。
 
グルメを楽しむベルギーやフランスでは、ゴージャス感にこだわったホテルより食事にこだわったホテルに泊まりたいと70~90%の人が答える一方で、アメリカでは27~57%にとどまりました。
 
全体としてアメリカ人は食事を毒、健康を害するモノとして食べることに罪悪感を持っている人が多く、フランスやベルギーでは明らかに食事はエンタメであり、結果、食事を通して得ているアウトカム(肥満率)を比較すると、どうやらエンタメと思う方が楽しい上に健康であるというザックリとした結論が導けそうです。
 
男性と女性では女性のほうがアメリカ的という傾向もありました。
 
職場の食事を通して、従業員の健康を向上させようという企画を立てる際には、従業員を楽しませることを意識してもいいかもしれませんね。
 
肥満率
 
 
 
 
 
 

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