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健康の経済学

本庶佑先生、ノーベル賞受賞、おめでとうございます。

嬉しいニュースですね。

実はこのコラムで取り上げる書籍はだいたい、読んだというよりは全部のページに目を通したという程度のものが多くて、好きで好きで何度も読むような本は少数派です。

はたらく細胞

まあ、だからこそ手に取ったことを忘れてもう一回買わないように、備忘録的につけているわけです。

本庶先生のシンプルな受け答えが素晴らしいですよね、決め手はもちろん「好奇心」。

「基礎研究はムダ」と言いながら、この受賞が基礎研究者を鼓舞することを期待してらっしゃる姿勢はすごくセクシーです。

研究者に大切なことは「簡単に信じない」ことというのを伺って、あ~~、わかっちゃいるけど、私はやっぱり研究者に向いていないと確信しました(笑。

まともな研究者ほど、科学的なエビデンスは真理ではなくむしろテンポラリーなものだって言いますよね、教科書に書いてあることや科学的エビデンスを疑っていくことこそが発見の近道だということを知っているんですね。

有働さん初登板のニュースzeroでは山中先生がなんと、玉三郎さんの言葉として、18世が好きだった型破りと形無しの話を引用していて、しかも平尾さんについても言及されて、私は何とも素敵な気持ちになりました。

ねがわくば最近はまっている清水茜先生に「はたらく細胞」で受賞記念に「PD-1」の回を掲載してほしいっす!!

健康の経済学(医療費を節約するために知っておきたいこと) 康永秀生

この本を手に取ったのは、医療経済学について少しまとめて勉強したいなと思ったものの、ガチな教科書だと難しくてわかりにくいだろうから、少し柔らかいものを探したためです。かなりこじつけですが、67ページにちょっとだけ、オプジーボにも触れられてます!

健康の経済学結果、ちょっと柔らかすぎたかな~と思っています。書いているのが康永先生なので、ポピュラーサイエンス的な柔らかさはゼロなんですが、なんというか康永先生の魅力はもっと難しく書く方が生きるのではないか、と思いました。余計なお世話です。

おそらく医療経済学をそれなりに真剣に学びたい、ある程度、たとえば日本の医療制度(診療報酬制度)を把握できているとか、費用対効果や費用便益について一定の知識があるとか、そういったバックグラウンドのある人にとってはやや不十分で、一般の読者にとっては難しすぎる感じです。

Amazonの書評にこんなコメントがありました。

「また、著者が医者であるためにわかっていないのではないか、と思ったのが、病院の口コミなど役に立たない(156ページ)としている点です。
 つまりは、素人風情になにがわかるか、と見ているのです。」
 
康永先生が言いたいのは素人が評価できるのは設備の綺麗さや食事のおいしさ、接遇態度などでそれは「医療の質の評価」ではないということなんですが、経済学というより経営視点で見てみると、だからこそ医者(たとえば、偏差値の高い医学部を出た医者や女性医師、少数民族の医師のほうが高い医療を提供する可能性が高いという科学的エビデンスがあります)や医療機器(CT、MRI、ダビンチ・・・)などのコストの高いところで医療の質を上げるのではなく、設備投資や非医療者の接遇向上でお客様を獲得することが大事、ってことになりますね。
 

自己負担割合を上げると患者の健康を害するか

よく話題に出るけど、ネタ元がわからなかった研究が明らかになって、ここが一番面白かったです。
 
2016年に私を蒼白にした小泉進次郎さんの健康ゴールド免許ネタの周囲にいた人は、30年前のこの研究、知らなかったのでしょうか??
自己負担額を上げることは概ね賛成です。
というより、保険を頼らなきゃ払えない、治せない、って分だけ保険でやればいいし、少なくとも労働者の特別じゃない医療費は会社が持ちましょうよというのが私の持論です。とはいえ、セルフメディケーション税制はあんまり機能しないと思ってます。
 
この本の主張と相反することではないどころか、同じ主張だと思うのですが、「受診しないのが一番賢い」ということを中心に、患者さんの受診力を鍛えていく、その担い手に企業がなる、という世界を私は目指しています。
 

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