ホーム>心陽コラム>健康ニュース・最新研究>書籍>医療現場の行動経済学
書籍

医療現場の行動経済学

医療現場の行動経済学 すれ違う医者と患者

大竹文雄 平井啓 編著

2018102235319.jpgこれは多分、教科書で、だからおもしろい!っていうようなものではないと思います。

2,400円の教科書としては執筆者も豪華で内容も豊富でたいへん素晴らしいと感じます。

なんの教科書なのかというと、患者の意思決定を支援していく中で、医療者が教養として身につけておくべき行動経済学の基本を知るものだと考えられます。

医療行動経済学という分野があるわけではなくて、この辺の分野を医学教育の中で学ぶとすると、最近医学部の必修科目になった行動医学で担当教官が取り上げた場合、になるんでしょうかね。公衆衛生領域ではよく行動経済学が用いられますので、公衆衛生の授業で得意な先生がいれば、とりあげてくれるでしょうね。

たとえば医者が読む本として、行動経済学が理解できている医者や医療が理解できている行動経済学者が執筆すると、医者の言語に行動経済学を翻訳できて面白いと思うのですが、書いている人の中にそんなに臨床医が多いわけではなくて(もちろん水野先生みたいなバリバリの臨床医もいます)、誰にとって最もインセンティブの高い本なのか、という実は行動経済学的に重要なところがぶれちゃっている感じもしました。

とはいえ、なんといっても天下の東洋経済が今をときめく有名な本物っぽい感じの執筆陣を並べてたくさん宣伝して、「医療現場」と「行動経済学」というみんなが喜びそうなタイトルをつけたので、きっとたくさん売れていると思います。医療現場と行動経済学をそれぞれいくらか知っている身としては、それぞれもっと面白い本があるかな~というのが正直なところです。

まあ、索引もついてるし、引用文献もついてるし、ちょっとアメリカの教科書みたいでいいんじゃないでしょうか。

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.shinyo.pro/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/288

ページ上部へ