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睡眠・覚醒・生産性

レイプドラッグ天国☆日本

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これらは「睡眠薬」をニュースで検索すると出てくる、1年以内の見出しの一部である。

毎日、睡眠薬を使用したさまざまな犯罪が発生し続けている。

日本ではほしいといえば誰でも、高くても7割引、場合によっては無料で、衛生的に最大限安全で高性能な「本物」が手に入る。

誰が睡眠薬を処方できるのか

さあ、この答えを予想できましたか? 眼科医や皮膚科医が睡眠薬を処方できるでしょうか?

#ハルシオンのサムネイル画像

もちろんイエス。
日本における標榜あるいは自称の診療科に特にルールはない。
医師の資格(保険医登録)さえ持っていれば、その先のスキルや資格で可否の問われる行為はほとんどない。
心臓血管外科医も目薬を処方できるし、耳鼻咽喉科医もピルを処方できる。
全員全く同様の医学教育を受けているし、そのシステム自体はさして不当だとは思わない。

ある大学病院で睡眠薬処方をする「診療科」について調査した研究がある。
結果、処方数と受診患者数は同じ傾向を示した。
つまり、どの科でも患者の言いなりに、しかもそのいいなりは「睡眠薬を処方してくれ」という依頼への言いなりではなく、「睡眠に課題を感じている」という言い分に対して、依存性や耐性があり、あらゆる疾患の原因になり、安全と生産性を低下させ、犯罪に用いられかねない恐ろしい薬を睡眠専門外の医者が、診療報酬制度のいいなりに処方しているのが現実だ。

睡眠薬 処方してくれる科

右のグラフは、サノフィの調査によるもので、不眠の改善によいと思う診療科について訪ねている。選択肢に「睡眠外来・不眠症外来」とあるので回答した人は多いが、実際に皆さんの中で、睡眠外来を実際に目にしたことがある、見当がつくという方がどれくらいいるだろうか。
行動を想定できないのに正解したいという日本人のメンタリティーがよく現れている。

米国でも本邦でも睡眠専門医の不足が叫ばれているが、人口1万人につき、日本では睡眠ラボ1床であるのに対し、米国では5~10床であると推定されている。ちなみに単位患者当たりのベッド数は米国の4.7倍以上であることを考慮すると、どんなに少なく見積もってもざっと30分の1のレベルで睡眠専門医療が不足していることが見て取れる。
米国でも、その不足が深刻な問題となっているのにもかかわらず、だ。

日本ではかかりつけ医に対する睡眠関連の信用が低いことが伺えるが、睡眠という超日常生活因子において頼りにならないかかりつけ医なら替えたらどうか? 
一方で米仏の患者たちは、精神科・心療内科という選択肢があること自体「???」だっただろう。
選択肢があったからこそ、日本の睡眠外来と同様に思わず選択してしまった人がいるのではないかと思われる。

そもそも、「睡眠薬」は「不眠症」に対する、少なくとも米国のガイドラインではあまり推奨されていない治療薬で、「不眠症」は「睡眠不全」の一因だと考えられている。

睡眠への課題がある人は多い。調査にもよるが4~6割の労働者が睡眠に課題を感じている。少なくとも少数派ではない。
そして、睡眠への課題のうち、睡眠薬の服薬で解決するものはおそらく5%に満たないだろう(この数字は私見である)。

先日、見るからに小顎短頸肥満の超高生産性エリートビジネスマンのSASを見つけた。優秀な彼は自ら疑い、5年前にフルPSGのSASチェックを入院して行なった。

「長年にわたる国際的な活躍で昼夜を問わない長時間労働に慣れたことによる不眠なので、レンドルミンを服用すれば解決する。SASはない」と診断され、5年間服用を続けてきた。医師を信頼し、疑う私を嘲笑していた。
「いいですよ、検査なら受けましょう」と笑いをこらえきれない様子で受けてくれた。
レンドルミンで舌根の落ちた彼は5年前よりさらにひどい結果だった。そう、診断後に見せてもらった5年前の結果にはしっかりと「睡眠時無呼吸中等症」と記載されていた。「SASはない」は誤診どころか虚偽である。
レンドルミンを処方された彼は眠れた気がした。それだけだ。
すぐにレンドルミンを中止、CPAPを開始した彼は短期間での減量に成功し、現在はCPAPも卒業した。
5年以上悩んでいたすべてのことが数ヶ月で解決し、非常に体調がいいと言う。

「不眠の自覚」や「睡眠への不満」はアブセンティーイズム、プレゼンティーイズム、勤続年数の短縮、離職率、勤務中の事故、勤務中以外の事故、医療費などなど生産性の低下と大いに関係することがわかっており、生産性をアウトカムとする健康についての専門的な医師として、これまでは主に、生産性の面からの警鐘を鳴らしてきた。

“レイプ・ドラッグ”を知っていますか?

「睡眠薬」「売ります」で検索してみると、いくらでもヒットする。
#ハルシオン#ロヒプノール#デパス#ユーロンジン#########・・・・・・・・

性犯罪だけではない、あらゆる犯罪、事故の原因になるのが睡眠薬だ。

医療者はすぐにいたずらな処方を中止すべきだ。

睡眠薬を飲まなければいけない状況は驚くほど少ない。

失われた認知機能はその回復に1年以上はかかるという知見がある。
それでも、しっかりと時間をおけば、回復することはできる。

生産性の観点から睡眠薬は撤廃すべき薬物であるが、犯罪抑止の観点からも処方制限を強めてほしい薬剤である。

産業保健の観点からは就業規則等で不要な睡眠薬に使用を制限してもよいと考える。

 

 

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