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ヘルスコミュニケーション

質問力

北原先生の講演に関するコラムを更新しようとして、名作中の名作、「病院」がトヨタを超える日の書評をどこかに書いたな~と探していたら、昔のブログでおもしろいのがあったので、こちらにあえて直さず転載します。
 
当時は患者力をあげる方法をダメ美人女医がお伝えします!というノリだったので、クリスマス企画として、ご笑納下さい。
久しぶりに読み返してみると、口調はともかく、なかなかまともなことを言っているので、今後もときどき転載してみます。
 
 
 
 

解決 美人女医

よーく考えたらこのブログ、患者さんの患者力を上げるのが唯一最大の目的のはず。。。
 
ほとんどアタシの酒三昧の日々をだらだら綴ってるだけじゃん。
 
というわけで、今回はそんなダメ美人女医が
 
 
という本を読んで気づいたこと。
 
 
 
こういうビジネス本を読むってのはめったにないことでして、
最近では父親がハマっている影響で奥田英朗さんばっかり読んでます。
 
イン・ザ・プール、空中ブランコ、最悪、邪魔、東京物語、ガール、オリンピックの身代金、サウスバウンド、ララピポ、ガール、家日和、無理、港町食堂
 
父親はいつも新品を買ってきて入浴中に読むので、回ってくるときにはガビガビになっているんですが、そうなるとこっちも全く心置きなくお風呂場に持ち込めるので、ある意味「あり」かなあ。と思っております。
 
その合間にときどきこういうビジネス本を読んで世の中を知ろうかなあ、と。
 
さて、コンサルタントといっても当然ビジネスにおける経営コンサルタントを指しているんですが、
作者(筆者というべきか)の野口吉昭氏が何度か医療を受けた経験からか、
例示として医者と患者の対話もちょいちょい出てきますし、
なんというのかな、実際に、患者自身の問題に関しての結論は患者が出すしかなく、
患者の行動こそが患者の今後の状態に影響を与えうるものであり、
だからこそ協力者としてのコンサルタント(医者)は存分に自分の知識や経験を元に、
そのスキルを惜しみなく注ぎ込めるための質問をして相手を引き出さねばならない点においては、
まったくもって治療も経営も同じ事なのだなあ、とは思います。
 
ときどき、自分でもはっとするほど良い質問ができることがあるし、
 
同様に一気に目の前が明るくなるような質問を患者さんにしてもらえることもある。
 
質問力というのはコミュニケーションにおいて非常に重要な能力だと思います。
 
 
一般的にそれが「神の質問」(中学生の姪の言葉を借りれば)になるチャンスは
そうそうは転がってないことでしょうが、医者の一言、あるいは患者の一言、
医者じゃなくても患者じゃなくても誰かのふとした一言が、
人生を大きく変換したり修飾したりすることはあります。
 
医者が与えられているすごくラッキーなチャンスに、
患者との対話によって、いかなる手技や薬品にも勝る治療効果を手にできるということがあります。
 
質問にかぎらず、ある一言で患者さんの顔がぱあっと明るくなり、
それこそラポール(心と心の架け橋)が虹色sunに輝いて二人の間を結び、
以降の医療が本当に流れるように浸透して奏効する例を何度も経験しています。
 
これは無常の喜びです。
 
必ずしもテクニックで得られるものではないだろうけれど、
可能な限りテクニックを磨いておくことは無駄にはならなそうですよね。
 
ある医者が研修医に向かい、こんな指導をしていました。
「オープンクエスチョンをしたら終わりだ。患者の話が際限なく長くなる。
 絶対にクローズドクエスチョンのみで患者と話せ」
 
こいつ、ほんと、サイテーだなあ、と心の底から嫌悪感を感じたため、
その場でこてんぱんにいじめてやりましたが、もちろん、
患者さんにとってもクローズドクエスチョンが適している場合はあります。
 
患者さんの頭の中で多くの症状や情報がこんがらがってしまっている上、
眼の前にいる医者の前でちゃんと立派に回答しなければならない
(こういう姿勢は日本人特有のものだと思います、だからこそアタシは
日本人としてこういう日本人らしい患者の患者力を上げたい)
と緊張しまくっている状態ですから、
「アナタが治療を受ける上で、重視することは何ですか?」
なーんておしゃれな質問をしてもテンパってしまうだけの場合があります。
 
そんな時には具体的な選択肢を設けたり、イエスかノーで答えられる問いかけをしたりする必要があります。
 
それでも、アタシは時間の許す限り、患者さんの言葉での物語
 
・・・それが病気となんの関係もない30年前に旦那と別れた理由であろうとも・・・
 
に耳を傾けていきたいし、そういうときに思わぬ発見ができることがあります。
 
 
この本にはナラティブ・ベイストメディスンという言葉が出てきます。
 
もうすっかりなじんだかもしれないエヴィデンスベイストメディスンと並立する表現で、
EBMの行き過ぎに歯止めをかけるために出てきた概念だと著者は言います。
 
臨床家のアタシとしては患者さんの物語も医学的な根拠もどちらもかけがえなく大事なものなので、
どっちがいいとはいえませんが、そういうことが言われている現在において、
患者さんの物語に心を寄せられない医者はもうそれだけで、
きっとエヴィデンスだってきちんと握ってないに決まってますよ、ふん。
 
質問力を上げるには語彙が必要だという脈絡で、書中では語彙力推定テストが登場します。
簡単なテストなのでみなさんもどうぞ。
美人女医は60000語前後で著者と同じくらいでした。
あんまり評価できない同僚にやってもらったら三回とも中学生レベルでした。
彼はキレてましたけど。
 
そのすぐ後に「言葉のひげ」という表現が出てきまして、
それが、話の前につけてしまう「あ~」とか「え~」とか、
たぶん土屋賢二先生の「う~」とかもそうなんでしょうけど、それらのことらしいんです。
 
そういう表現を知らなかったので検索してみるとIT領域、ビジネス領域、コンサル領域的な
分野ではよく知られているようなんですが、国語辞典には出ていません。
 
ちなみに今回国語辞典を引いて、ひげには「陰毛」という意味もあれば、
「思想犯」という意味さえあることを知りました。
 
まあやっぱりビジネスパーソンが書いている本なので、用語はビジネスよりなんですね。
チャネルとかTQC活動とか調べなければわからない言葉もありました。
 
また、語彙の豊富な人、と言われて、アタシは小林秀雄とか徳富蘆花とか
向田邦子とか有吉佐和子とか宮尾登美子とか松本清張とかが浮かびますが、
ここで揚げられているのはぜんぜん違う人達です。
 
さて、このそれまくっている話をタイトルに持って行くには
誰かの質問力に期待したいところですが一人で書いているので仕方なく・・・・・・
 
患者が医者に質問をするときのコツは、ともかく全部訊くです。
 
ただ、全部聞いてくれる医者かどうかをその前に見極める必要があるので、
 
「知りたいことを全部質問してもいいですか」
 
なーんて訊いちゃうのもいいかもしれません。
 
それを脅しと感じるか、むしろやりがいに感じるか、その医者の表情を見るのもいいかもしれない。
 
望むところだ! と胸を張る心意気のある医者に出会いたいものです。
 
ウザそうな顔をしたら、医者選びを考えなおしたほうがいいかもしれない。
 
無知で経験不足で、答えられることが少ないから、ひいてる可能性もありますよ。
 
「患者はそんなコト知らないでいい」
 
なーんていう医者は論外中の論外。アタシが中学生の頃の言葉で言えば、アウトオブ眼中です。
 
また、質問は医者と対面する前に整理しておいたほうがいいでしょう。
 
実際に聞ける質問は用意してきたものと異なる場合が多いでしょうが、
それは話しの流れによりますから、用意してきたのに聞けないものや、
用意してなかったけどうまく聞けるものが出てくるでしょう。
 
絶対に外せない質問に関しては、話の流れなんかお構いなしに、ずばり、聞いちゃいましょう。
 
医者は患者の質問を聞き、それに答えるために存在しているんです。
 
どんどん無理難題を押し付けましょう。
 
といっても、モンスターペイシャントになれってことじゃないっすからね。
 
良くない例は「私はパニクってる」ということを連呼し、それだけを主張してしまうパターン。
 
真面目な患者さんに多いんですけど、それに対して医者は戸惑いつつなだめる以外の方法を取りづらいんです。
 
 
緊張したり興奮したり当惑したりするのは当然です、
病院にいるなんていう特殊な状況なんですから。
 
 
それでもできるだけ冷静に自分を見つめて、質問をして欲しいと強く願います。
 
上手な質問をする必要はない。
 
ただ真剣であれば それが最上です。
 
ひょっとしたらそれに答えるドクターに一番大切な要素も真摯さであるかもしれませんね。
 

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